プレスリリースの配信タイミングは、届けたい相手と発表の目的から逆算して決めます。緊急性のない企業の発表なら平日の日中が候補になりますが、曜日や時刻だけで記事化を狙う前に、情報を公開できる時期、取材や申し込みに必要な準備期間、配信後の問い合わせ対応を確認します。
この記事では、配信する曜日・時間帯の考え方、イベントや新サービスなど内容別の決め方、社内の準備を含めた日程表の例を紹介します。特定の時刻に出せば掲載される、という共通の正解を示すものではありません。
プレスリリースの配信に向く曜日・時間帯の考え方
PR TIMES MAGAZINEは、一般的な目安として火曜から木曜の10時〜15時を挙げつつ、飲食・レジャーなど内容によって異なるタイミングも紹介しています。2026年10月26日に確認した解説です。プレスリリースの最適な配信タイミング
この目安を候補にすることはできますが、自社の発表でも同じ時刻が最適だと確認されたわけではありません。媒体の編集予定、担当者の動き、読者が情報を使う時期によって、必要な日程は変わります。
配信が多い時間帯と、取材につながりやすい時間帯も、同じ意味ではありません。ある時刻にリリースが集中しているという集計だけから、その時間に出せば記事化しやすいと結論づけないようにします。
配信タイミングを決める前に確認する4つのこと
1.何のために、誰へ届ける発表か
取材に来てもらいたいなら、記者が日程を調整できる時期が必要です。イベントの参加者を集めたいなら、読者が予定を組み、申し込めるだけの期間を確保します。新サービスの利用を促したいなら、詳細を読めるページや問い合わせ先も整えておきます。
「今月中に一本出す」だけでは、日程を判断できません。誰に何を知ってもらい、次にどんな行動を期待するかを一文で決めます。
2.その情報を公開してよい日時はいつか
新商品、共同企画、調査結果などは、社内や関係者で公表の時期が決まっていることがあります。取引先の名前や写真を含む場合も、掲載してよい内容と日時を確認します。
自社サイト、配信サービス、SNS、参加申し込みページの公開時刻が別々になっていないかも見ます。関係者と調整した情報解禁がある場合は、どの情報をいつ出すかを一つの予定表にまとめます。
3.受け手の準備に、どれだけ時間がかかるか
月刊誌、ニュースサイト、テレビ番組では、企画の決まり方や制作の進み方が違います。「雑誌なら何か月前」と一律に決めず、狙う媒体の募集案内や特集予定、担当者から示された期限を確認します。
締め切りが不明な場合は、直前の一斉配信だけに依存せず、題材が固まった段階で情報提供の方法を調べます。未確定の内容を確定事項のように送る必要はありません。
4.発表したあと、問い合わせに対応できるか
代表者の話を聞きたいという連絡が来ても、対応者が長く不在なら取材を調整しにくくなります。配信する時刻と、窓口が返信できる時間を合わせて考えます。
予約配信を使う場合も、公開時刻に本文・画像・リンクを確認する人を決めます。配信日が祝日や自社の休業日に当たっていないかも、実際のカレンダーで確かめます。
内容別に見るプレスリリースの配信タイミング
次の表は、日程を考えるための編集部の整理です。共通の日数を当てはめず、受け手が動ける期限と、公開できる条件を合わせて決めます。
| 発表する内容 | 逆算する基点 | 先に整えておくもの |
|---|---|---|
| イベント・内覧会 | 取材や参加の日程を決める期限 | 日時・会場・受付方法・取材できる内容 |
| 新商品・新サービス | 発売日や提供開始日と、情報を使ってほしい時期 | 仕様・価格・対象者・詳細ページ・対応窓口 |
| 調査結果 | 結果が確定し、説明資料を公開できる時期 | 調査概要・設問・集計の条件・図表 |
| 共同企画・提携 | 関係者で合意した公表日時 | 社名・役割・表現・リンクの確認 |
| 既存発表の訂正 | 誤りと正しい内容を確認できた時点 | 訂正箇所・現在の正しい情報・連絡の対象 |
参加者募集と報道向けの取材案内で目的が違う場合は、同じ本文を同じ時刻に一度送れば足りるとは限りません。追加の発表をするなら、新しく知らせる事実や、相手に必要な情報があるかを確認します。
反対に、同じ内容を何度も配信することを予定に組み込む前に、配信先の条件と、受け手にとっての意味を見ます。新しい情報のない繰り返しを、必須の手順にはしません。
配信日から逆算するスケジュールの作り方
配信日を決める際は、原稿が完成する日だけでなく、事実確認、承認、画像の確認、詳細ページの公開、配信後の対応まで予定に入れます。次は、一般向けの発表も行う架空の内覧会を、4週間前に案内する場合の例です。必要な期間を保証する目安ではありません。
| 時期 | 行うこと | 次へ進む条件 |
|---|---|---|
| 開催6週間前 | 目的、対象媒体、取材で見せる内容を決める | 会場と対応者の見通しが立つ |
| 開催5週間前 | 原稿、写真、詳細ページ、申し込み方法を準備する | 日時と取材・撮影の条件を確認できる |
| 開催4週間前 | 社内確認を終え、自社サイトと案内を公開・配信する | 受け手が内容を読み、受付窓口へ連絡できる |
| 配信当日 | 表示、リンク、受付、問い合わせへの対応を確認する | 誤りがあれば担当者へ連絡し、対応を決められる |
| 開催前 | 取材希望者と場所・時間・撮影範囲を調整する | 当日の受け入れ担当に必要な情報が渡る |
| 開催後 | 追加資料に対応し、反応と掲載を記録する | 記事化とリリースの転載を区別して記録する |
予定には「原稿完成」だけでなく、次に進める条件を置きます。会場は決まっていても、撮影できる場所が未調整なら、撮影可能と書いた案内は出せません。日付を守るために、確認できていない情報を埋めないようにします。
配信サイトに事前の確認や審査がある場合は、その最新の案内を読んで必要な余裕を加えます。別のサービスで使えた日程を、そのまま当てはめないことも必要です。
自社の運用例:配信時刻より前に、参照先を整える
ビズPRの運営会社アマノートは、自社サイトに載せる版を先に用意し、配信する版から参照できるようにする進め方を公開しています。プレスリリースの書き方で紹介している運用です。
この順番には、発表を見た人が詳細を確かめる場所を先に整える意味があります。ただし、すべての企業が自社サイトを早い日時に公開する必要がある、という意味ではありません。公表時刻をそろえる案件なら、その時刻に各ページが使えるよう準備します。
「配信できた」と「受け手が必要な情報へ進める」を分けて考えると、原稿以外に何を準備すべきかが見えてきます。
配信後の反応を、次のタイミングの判断に使う
配信日、時刻、発表内容、対象媒体、問い合わせが来た時期、取材や記事化の有無を一緒に記録します。日付だけが違う二つのリリースでも、題材や送った相手が違えば、反応の差を時間帯だけの効果とは判断できません。
まずは、情報が届いたときに申し込み期限が過ぎていなかったか、取材の調整が間に合ったか、担当が返信できたかを振り返ります。時刻を細かく変える前に、受け手が動けなかった理由を直すためです。
自社サイトへの流入や問い合わせまで追う方法は、広報の効果測定とKPIの決め方で説明しています。掲載数だけで配信日の成否を決めず、目的に応じた記録を残します。
プレスリリースの配信タイミングについてよくある疑問
月曜日や金曜日に配信してはいけませんか
曜日だけで不可とは決まりません。発表の意味がある日や、読者が情報を使う時期を優先すべき場合もあります。緊急性のない発表で日を選べるなら、媒体の動きと自社の対応予定を踏まえて候補を比べます。
イベントは何日前に発表すればよいですか
取材の調整が必要か、一般の参加者募集も行うか、どの媒体に届けたいかで変わります。開催直前の配信だけに頼らず、日時と内容が固まった段階で相手の準備期間を確認します。上の4週間前の例は、架空の内覧会の計画です。
配信する日に大きなニュースが起きたら延期しますか
自動的には決めません。延期できる発表か、すでに関係者や参加者が日程を前提に動いているかを確認します。訂正や必要な情報提供まで、話題が少ない日を待つ判断と混ぜないようにします。
情報解禁前に記者へ資料を渡せますか
公開前の資料を渡す場合は、相手がその方法を受け付けるか、公開時期についてどう調整するかを事前に確認します。メールに日時を書くだけで、意図した扱いになると考えず、社内・関係者の確認も済ませてから提供します。
