「プレスリリースの配信代行」という言葉は、2つの意味で使われています。ひとつは、配信会社が記者やメディアにリリースを届けるサービスそのもの。もうひとつは、原稿の作成から配信の手続きまでを外部に任せることです。どこまでを頼むかで、費用も、自社に残る作業も変わります。
運営元の株式会社アマノートは、自社のお知らせを無料の配信サイトに出しているほか、プレスリリースの作成・配信の代行も受けています。2025年10月から2026年10月までの1年間は、BtoB企業のリリースの制作と配信を担当しました。この記事では、頼める範囲と費用の目安に加えて、その作業の中で「最初に決めておいてよかった」と感じたことをまとめます。
プレスリリースの配信代行で頼める範囲
頼み先は、配信会社、作成と配信の代行、PR会社の3つに分かれます。頼み先によって、自社に残る作業が変わります。
| 頼み先 | 頼めること | 自社に残る作業 |
|---|---|---|
| 配信会社 | メディアへの配信、配信会社のサイトへの掲載 | 原稿の作成、入稿 |
| 作成と配信の代行 | 企画、原稿の作成、入稿と配信の予約 | 原稿の確認、配信アカウントの用意 |
| PR会社 | リリースに加えて、記者への個別の売り込みや取材の調整 | 発表するネタの提供、取材への対応 |
配信会社に配信を頼む
PR TIMES、@Press、共同通信PRワイヤーなどの配信会社に、メディアへの配信を任せる形です。原稿は自社で書き、配信会社の管理画面から入稿します。「配信代行」というと、この配信会社のサービスを指していることも少なくありません。
費用は配信料だけで済みます。そのかわり、何を発表するかを決めて原稿を書く作業は、すべて自社に残ります。PR TIMESの料金の仕組みはPR TIMESの料金で詳しく説明しています。
原稿の作成から配信までを頼む
企画と原稿の作成を外部に任せ、配信会社への入稿や配信の予約まで頼む形です。制作会社やフリーランスのほか、配信会社自身が原稿の作成をオプションとして出している例もあります。
自社に残るのは、発表の材料を渡すことと、できあがった原稿の確認です。アマノートの代行もこの形で、原稿は必ず依頼元に確認してもらってから配信しています。
PR会社に広報活動ごと頼む
リリースの配信に加えて、記者への個別の売り込みや取材の調整まで任せる形です。リリース1本ごとではなく、月額で広報活動全体を請け負う形をとる会社もあります。
メディアに取り上げてもらうことそのものが目的で、記者との関係づくりまで外に出したい場合に向いています。発表の頻度が低い会社や、まず自社サイトへの流入を増やしたい会社には、範囲が広すぎることもあります。
プレスリリース配信代行の費用の目安
代行の費用は「配信料」と「原稿作成の料金」の足し算です。見積もりを比べるときは、まず配信料が含まれているかを確かめます。
| サービス | 料金 | 含まれるもの |
|---|---|---|
| PR TIMES(配信のみ) | 1件30,000円(従量課金) | 配信。原稿の作成は含まれない |
| @Press 原稿作成代行 | 47,000円/85,000円 | 原稿の作成(聞き取りが電話・メールかオンラインかで2種類)。配信料は別 |
| ValuePress 定額プラン | 30日35,000円から | 配信と原稿の作成 |
| アマノート 作成・配信代行 | 1本30,000円/月4本100,000円 | 企画、原稿の作成、入稿と配信の予約、配信後の数字の報告。配信料は別 |
同じ「1本3万円」でも、配信料が入っているかどうかで総額が変わります。たとえばアマノートの月4本のプランをPR TIMESの従量課金で配信すると、代行料の月100,000円に配信料の月120,000円が加わり、合計は月220,000円(税別)です。PR TIMESの月額契約(月80,000円、税別)を使えば、合計は月180,000円になります。
見積もりを取るときは、料金表の金額だけでなく、原稿の修正が何回まで含まれるか、配信の後に何を報告してもらえるかもあわせて確かめておくと、あとで比べやすくなります。
配信代行を頼む前に決めておく3つのこと
比較記事の多くは料金と実績で代行会社を選ぶ方法を説明していますが、頼んだあとで困りやすいのは、アカウント、原稿の確認、報告の中身の3つです。いずれも契約の前に決められます。
配信のアカウントを自社の名義で持つ
配信サイトのアカウントは、代行会社ではなく自社の名義で持つことをおすすめします。配信サイトの規約が、アカウントを他人に使わせることを制限しているからです。
PR TIMESは、アカウントの譲渡や貸与を規約で禁じており、代理店が入稿するときも依頼元の企業の名義で登録するよう案内しています。PRONEも、アカウントを第三者に使わせることを規約で禁じています。つまり、代行会社が自分のアカウントで他社のリリースを出すことは、こうしたサイトではできません(いずれも2026年10月24日に各社の規約で確認)。
規約の問題を別にしても、自社の名義で持っておくと、配信会社のサイトにある企業ページに過去のリリースが積み上がり、代行先を変えても途切れません。管理画面の数字も自分で見られます。なお、PR TIMESが設立まもない会社に無料で配信させる制度は、代理店が運用するアカウントを対象外にしているので、この制度を使う会社は誰が操作するかも確かめておきます。アマノートの代行では、お客様のPR TIMESのアカウントから配信し、配信料はお客様からPR TIMESに直接払ってもらっています。
原稿の最終確認を誰がするか決める
配信サイトによっては、掲載後に原稿を直せません。PR-FREEは掲載後の修正と削除を受け付けておらず、ぷれりりは修正と削除が1件5,500円(税込)の有料です(2026年10月18日に各サイトの規約で確認)。配信の前に、誰が最後に原稿を見て、配信してよいと判断するのかを決めておきます。
表現の責任も、名義の会社に残ります。景品表示法は、商品やサービスの品質を実際より良く見せる表示や、価格や条件を実際より有利に見せる表示を禁じています。リリースに「No.1」や「業界初」と書くなら、その根拠を出せるのは代行会社ではなく自社です。
配信会社の基準も細かくなっています。PR TIMESは2026年8月6日に掲載基準へ「日本初」「最安値」などの最上級表現の項目を足し、自社調べか他社調べかを問わず、調査した主体や調査の年月、対象の範囲などを書き添えるよう求めています(2026年10月24日にPR TIMESのヘルプで確認)。
アマノートでは、自社のお知らせを配信するときも、配信フォームへの入力は確認画面の手前で止め、送信は代表が内容を見てから押すことにしています。1年間担当したBtoB企業のリリースでは、この改定に合わせて、配信済みのリリースの表現も見直しました。
配信の後に何を報告してもらうか決める
代行の報告が「転載○件」だけだと、次のリリースで何を変えればよいかが読み取れません。転載の数はメディアの判断で決まり、自社の手で変えられる部分が少ないからです。
頼む前に、配信会社の管理画面の数字に加えて、リリースから自社サイトに何人来たかを報告に入れてもらえるかを確かめておきます。リンクに計測用のパラメータを付けておけば、リリースごとの流入を数えられます。測り方は広報の効果測定とKPIの決め方で説明しています。
配信代行を使わずに自社で出すこともできる
発表が年に数回なら、代行を使わずに始める方法もあります。無料の配信サイトと自社サイトのお知らせ欄を使えば、費用をかけずに出せます。自社で出すときの流れはプレスリリースとはで紹介しています。
私たちの見方では、最初の数本は自社で書いてみて、発表の頻度が上がって手が回らなくなった時点で頼むほうが、代行会社に何を求めるかがはっきりします。書き方はプレスリリースの書き方とテンプレートに、無料で出せるサイトはプレスリリースを無料で配信できるサイト4つにまとめています。
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運営元の株式会社アマノートでは、プレスリリースの作成・配信の代行を受けています。リリースごとに自社サイトへの流入を測り、次の1本をどう変えるかまでを提案しています。
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