英語のプレスリリースの書き方|構成とテンプレート、日本語版から作るときに書き換えること

赤と紺の縁取りのエアメール封筒と、折りたたんだ白い紙

英語のプレスリリースは、日本語版をそのまま訳すだけでは読みにくくなります。冒頭の「For Immediate Release」、発信地と日付を書く一行、末尾の会社紹介とメディア連絡先のように、英語圏で置き場所が決まっている要素がいくつかあるからです。

この記事では、英語のプレスリリースの構成を日本語版と比べながら整理し、日本語版から英語版を作るときに書き換える所と、コピーして使えるテンプレートを紹介します。後半では、運営元の株式会社アマノートが英語のページで社名の表記をそろえた経緯と、英語のリリースを出す場所の料金を取り上げます。

目次

英語のプレスリリースが必要になる場面

英語のプレスリリースを用意するかどうかは、その発表を英語で読む相手がいるかで決まります。

上場企業では、制度の面から英語の発表が増えています。東京証券取引所は2025年4月1日から、プライム市場の上場内国会社に、決算情報と適時開示情報を日本語と同時に英語でも開示することを義務づけました。英語は日本語の一部や概要でもよいとされ、施行前から上場していて所定の書面を出した会社への適用は2026年4月1日からでした(日本取引所グループ「規程改正の概要」)。2026年1月の東証のお知らせでは、決算短信と適時開示は原則として日本語と同時に英語でも出されるようになったとしています(日本取引所グループ)。義務の対象は適時開示で、報道向けのプレスリリースそのものではありません。ただ、開示の英語版を用意する会社は、同じ発表のプレスリリースも英語でそろえるかを決めることになります。

上場していない会社でも、海外の取引先や利用者、投資家、海外のメディアや業界誌に知らせたい発表なら、英語版が要ります。ただ、海外から問い合わせが来はじめた段階なら、すべてのリリースを英語にする必要はありません。アマノートは2026年10月、海外の会社からの問い合わせを受けたのをきっかけに英語を足しましたが、サイト全体を二言語にはせず、相手が依頼を決めるのに要る所だけにしました。サービスページの末尾に英語の条件一覧を置き、会社概要には代表者の英語表記と英語の住所を添えています。英語のリリースを出す前に、リンク先になる英語のページがあるかを確かめておくと、読んだ人が次に進めます。

プレスリリースは英語でも press release

プレスリリースは、英語でもそのまま press release と言います。news release とも呼ばれ、国や業界によっては media release という言い方も使われます。呼び方の違いは日本語の場合とほぼ同じで、ニュースリリースとはで整理しています。

英語のプレスリリースの構成

英語のプレスリリースは、上から順に次の要素で組み立てます。配信会社のPR Newswireは、全体を300〜500語にまとめることを勧めています(PR Newswire)。

要素書くこと日本語版との違い
For Immediate Releaseすぐに報じてよいことを示す一行。解禁日時があるときは、その日時とタイムゾーンを書く日本語版にはふつう無い
Headline(見出し)社名を主語にした現在形の一文「(社名)、〜」の体言止めではなく、動詞のある文にする
Subheadline(副見出し)発表の意味を補う一文(任意)日本語版のサブタイトルに近い
Dateline(発信地と日付)本文の書き出しに、大文字の都市名、日付、ダッシュを置く日本語版は日付を本文の中に書く
Lead(第1段落)誰が、何を、いつ、どこで、なぜを1〜2文で「〜をお知らせします」は使わない
Body(本文)背景、内容、提供の開始時期や対象日本の制度や商習慣は説明を足す
Quote(コメント)代表者や担当者の言葉を引用の形で英語のテンプレートでよく見る要素。日本語版では省くことも多い
About(会社紹介)100語以内の定型文。メディア連絡先の直前に置く会社概要の表ではなく文章で書く
Media Contact(連絡先)担当者の氏名、役職、電話、メール問い合わせフォームのURLだけでは足りないことがある
表:英語のプレスリリースの構成(PR Newswireの書き方の解説とテンプレートをもとに作成、2026年11月2日確認)

見出しは社名を主語にした現在形で書く

日本語版のタイトルは「(社名)、(何を)(どうした)」と体言止めや読点でつなぐのが一般的ですが、英語の見出しは、社名を主語にして現在形の動詞で書きます。過去の出来事でも現在形にするのは、新聞の見出しと同じ書き方です。Launches、Announces、Partners with のような動詞がよく使われます。

発信地と日付で本文を書き出す

本文の第1段落は、発信地と日付から始めます。PR Newswireの解説では、都市名を大文字で書き、知名度の低い都市には州などを添え、日付のあとにダッシュを置く形を示しています。日本の会社なら「TOKYO, Nov. 2, 2026 —」のように書き、そのまま本文を続けます。日付の書き方(月を略すか、日と月の順番)は、米国式か英国式かで変わるので、どちらかに決めてそろえます。

会社紹介と連絡先で締める

末尾には「About(社名)」の見出しで会社紹介を置きます。英語圏で boilerplate と呼ばれる定型文で、毎回同じ文面を使います。その下にメディア連絡先を置き、終わりの印として「###」を置く例もあります。PR Newswireのテンプレートも、連絡先に氏名、役職、電話、メールを挙げています。問い合わせをフォームで受けている会社でも、英語版では記者が直接連絡できる窓口を書いておくほうが無難です。

日本語版から英語版を作るときに書き換えること

日本語版を先に作り、そこから英語版を作る会社が多いはずです。そのとき、訳す前に書き換えておく所を表にまとめました。

日本語版英語版での書き方
株式会社(社名)会社で決めた英文社名を、毎回同じつづりと記号で書く(Inc.、Co., Ltd. など)
代表取締役CEO、President and CEO など、会社で一つに決めた肩書き
〜をお知らせします削る。today announced などで事実を直接書く
2026年11月2日米国式なら Nov. 2, 2026、英国式なら 2 November 2026。どちらかにそろえる
本社:東京都中央区番地、町名、区、市、郵便番号、国の順。例:17-2 Nihonbashi Kabutocho, Chuo-ku, Tokyo 103-0026, Japan
金額(円)JPY や yen と書く。ドルを添えるなら換算した日を示す
年度、記者クラブなど日本の仕組み海外の読者が知らない前提で、一文の説明を足す
会社概要の表About の定型文(100語以内)と、URLを含む連絡先
表:日本語版から英語版を作るときに書き換えること(住所はアマノートの英語表記の例)

訳すときは、日本語の文をそのまま一文ずつ英語にするより、上の表で骨組みを英語の型に組み替えてから中身を訳すほうが、読みやすい英文になります。仕上げに、英語を第一言語とする人に読んでもらえると安心です。

英語のプレスリリースのテンプレート

上の構成を、コピーして使える形にしました。( )の中を書き換えて使ってください。英文は米国式のつづりと日付で書いています。

FOR IMMEDIATE RELEASE

(Company Name) (Launches / Announces) (What) (for Whom)
(Optional subheadline: why it matters, in one sentence)

TOKYO, (Month Day, Year) — (Company Name), a (one-line description of the company) based in Tokyo, today announced (what), (starting when / for whom).

(Background: what is changing in the market or society, in two or three sentences. Explain any Japan-specific terms.)

(Details: what it is, when it starts, who it is for, and the price in JPY if relevant.)

"(A short quote that explains why the company is doing this)," said (Full Name), (Title) of (Company Name).

(Availability and next steps, with the URL of the English page.)

About (Company Name)
(Two or three sentences about the company. Use the same text every time. Keep it under 100 words.)
Website: (URL)

Media Contact
(Full Name), (Title)
(Company Name)
Email: (email address)
Phone: +81-(number)

###

日本語版のテンプレートはプレスリリースの書き方とテンプレートに載せています。二つを並べて使うと、日本語版と英語版で、どの段落がどこに対応するかを確かめやすくなります。

英文社名と会社紹介は、すべての英語ページでそろえる

英語のリリースで一番崩れやすいのは、本文の英語より、社名と会社紹介の表記です。アマノートは、英語のページで自社の名乗り方がそろっていなかったために、AIの回答で取り違えられたことがあります。

AIの回答で社名を取り違えられた

アマノートは日本語のサイトのほかに、日本のSEOについて英語で解説するメディアを運営しています。2026年10月4日に、AIの回答で自社がどう説明されるかを調べたところ、二つの取り違えが見つかりました。一つは、会社情報のページだけを材料にした回答で、英文社名が「Amanote」とつづられていたことです。もう一つは、英語のメディアについて、運営する会社を特定できない独立系の事業者だと答えた回答があったことです。

原因を読むと、英語のメディアの記事の末尾にある自己紹介の文に、社名が入っていませんでした。紹介のページと記事の末尾とで、自社を「メディア」と名乗る文と「事務所」と名乗る文が混ざってもいました。

自社を名乗る一文に正式な英文社名を入れた

アマノートは同じ日に、英語のメディアの紹介ページと記事25本の末尾の自己紹介を、正式な英文社名「Amanaut, Inc.」を含む同じ形の文にそろえました。日本語の会社情報のページと構造化データにも、正式な社名と英文の表記を書き足しています。

12日後の10月16日に、英語のメディアの運営会社を尋ねる同じ質問で測り直すと、誤って答えていたAIも含め、調べた4つのAIのすべてが Amanaut, Inc. と答えるようになっていました。同じ時期にほかのページも直しているので、この変更だけの効果とは言い切れません。それでも、英語で自社を名乗る文はリリースの About と同じ役割を持つ、ということはよくわかりました。リリースの会社紹介を一つの文面に決めたら、英語のサイトの会社紹介や記事末の自己紹介にも、同じ文面を使うことをおすすめします。

カンマを含む英文社名は入力欄で割れることがある

「Amanaut, Inc.」のように社名の途中にカンマがあると、思わぬ所で困ります。アマノートが使っているサイトの設定画面には、会社の別名をカンマ区切りで入れる欄があり、そこに英文社名を入れると「Amanaut」と「Inc.」の二つに割れてしまいます。そのため、その欄には入れず、英文社名は別の箇所に書いています。配信サイトの入力欄でも、カンマや記号の扱いは送信前のプレビューで確かめておくと安全です。

つづりは米国式か英国式かを決めておく

英語のつづりと日付は、米国式と英国式で違います。organization と organisation、Nov. 2, 2026 と 2 November 2026 のような違いです。アマノートの英語のメディアは、米国式にそろえています。リリースごとに書く人が変わると混ざりやすいので、最初にどちらかに決めて、社内の英語の表記ルールに書いておくと迷いません。

英語のプレスリリースを出す場所

英語のリリースを出す場所は、自社サイトの英語ページ、日本の配信会社の海外配信、海外のメディアへの直接の送付の三つに分けられます。どれを使う場合も、まず自社サイトに英語版を載せ、配信や送付ではそのページにリンクするのが基本です。

日本の配信会社の海外配信を使う

日本の配信会社の中には、海外の配信網と組んで英語のリリースを届けるサービスを持つ会社があります。公式ページで確かめた料金は次のとおりです。

配信会社海外配信の料金の例英訳組んでいる配信網
共同通信PRワイヤー米国全域で合計234,100円(作業料60,000円を含む、400語まで、税抜)日本語原稿の英訳は有料のオプションアジア太平洋はAsiaNet、それ以外はPR Newswire
@Press米国75,000円〜、英国56,000円〜(400語まで、税別)日本語から英語へ16,000円(税別)ビジネスワイヤ・ジャパンと共同で提供
PR TIMES料金ページに海外配信の項目は見当たらない——
表:日本の配信会社の海外配信(2026年11月2日に各社の公式ページで確認)

PR TIMESは国内向けのサービスで、よくある質問のページによると、英語だけのリリースは配信できず、日本語との併記が必要です(PR TIMES よくある質問)。日本語のリリースの下に英語版を併記して出す使い方になります。国内の料金はPR TIMESの料金にまとめています。

どちらの会社も、海外配信の料金は400語までを基準にしています。英語版を短くまとめることは、読みやすさだけでなく費用にも効きます。

海外のメディアに直接送る

届けたい相手が特定の業界誌や地域のメディアに決まっているなら、配信網に流すより、その編集部に直接送るほうが届くことがあります。送り方の作法は日本語の場合とほぼ同じで、1通に1本、相手が扱う分野に合う発表だけを送ります。手順はメディア掲載の方法に書いています。

英語版を出す前に確かめること

英語版は、日本語版より見直す人が少なくなりがちです。送る前に、次の点を確かめます。

  • 英文社名・肩書き・サービス名が、自社サイトの英語表記と一致しているか
  • 米国式・英国式のつづりと日付が混ざっていないか
  • 日付・時刻にタイムゾーン(JST など)があるか
  • 金額の通貨と、換算した場合の基準日
  • 日本の制度や略語に説明があるか
  • リンク先の英語ページが公開されているか
  • メディア連絡先がメールで届くか

このメディアについて

ビズPRでは、少人数の広報担当者が発信を続けるための実務を、実際の配信で確かめた範囲で書いています。記事の作り方は編集方針に、運営元は運営者情報にまとめています。

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ビズPRを運営する株式会社アマノートでは、プレスリリースの企画・原稿作成から、PR TIMESへの入稿、自社サイトへの掲載までをお受けしています。配信後はリリースごとに自社サイトへの流入を測り、次の1本をどう変えるかをご提案します。料金は1本3万円から(税別)で、PR TIMESの配信料は含みません。

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