取材依頼が来たときの対応手順|返信文例と、準備・当日・掲載後の確認表

銀色の録音機と赤いノート、鉛筆

メディアから取材依頼が届いたら、最初に確認するのは、何を知りたい取材なのか、いつまでに回答が必要なのか、自社が何を提供できるのかです。日程だけ先に決めると、取材直前になって回答者や必要な資料がそろわないことがあります。渡す資料と画像を前もってまとめておく方法は、プレスキットの作り方で紹介しています。

本記事は、企業が通常の事業・商品・活動について取材を受ける場合の手順を扱います。事故や不祥事などの緊急対応は、社内の危機管理体制に沿って判断してください。以下の確認表や返信文例は本記事で作成した型で、社名・日程・企画は架空です。

目次

取材依頼への初回返信では、受領と受諾を分ける

本記事では、「依頼を受け取ったこと」と「取材を引き受けること」を分けて伝える方法を勧めます。担当者や公開できる範囲を確認する前に受諾すると、後から条件を変える必要が生じるためです。

相手の締め切りが分からない場合は、先に確認します。社内確認に時間がかかるなら、いつまでに何を回答するかを知らせます。「確認して連絡します」だけで終わらせず、次に連絡する時刻を決めておくと、相手も制作の段取りを考えられます。

件名:取材のご相談について/サンプル社

○○編集部 ○○様
お問い合わせありがとうございます。
共同配送の取り組みに関する取材のご相談を受領しました。

担当者と確認し、本日16時までに、対応可否と候補日時をご連絡します。
差し支えなければ、企画の趣旨、主な質問、掲載予定、
回答の締め切り、撮影の有無をお知らせいただけますでしょうか。

サンプル社 広報窓口 ○○

記載した時刻は例です。相手の制作日程と、自社で確認できる時間を踏まえて設定します。受信から何時間以内なら必ず適切という共通基準として扱う必要はありません。

取材を受ける前に、企画・期限・提供条件を確認する

依頼者の所属や企画内容が分からないまま、社内資料や撮影場所を案内しないようにします。媒体の公式サイトや案内された窓口と照らし、誰から何の依頼を受けたかを確認してください。制作会社や外部ライターの場合は、掲載予定の媒体と担当関係も聞いておきます。

確認すること社内で決めること
媒体・企画・読者今回の取材に対応する部署と、自社が説明できる範囲
主な質問・必要な材料回答者、事実を確認する担当、追加で準備する資料
取材日時・所要時間・形式同席者、会場、オンライン接続、当日の連絡先
回答期限・掲載予定社内確認の締め切りと、追加回答を返せる期限
撮影・録音・素材利用撮影できる範囲、映り込みの確認、提供素材の条件
費用・掲載条件報道取材か広告企画か。契約や費用判断が必要か
事実確認の進め方確認を依頼できる箇所、確認期限、社内の返答担当

質問項目が事前に分かっても、当日に追加質問がないとは限りません。想定質問への回答を丸暗記するより、根拠となる資料と、即答できないときの確認先を準備しましょう。

PR TIMES MAGAZINEの報道対応の解説でも、質問への備え、正確な数値、窓口の整理が扱われています。確認した内容を社内用の一枚にまとめると、回答者と広報の認識を合わせる材料になります。

取材準備では、回答できる事実と確認が必要な事項を分ける

数字には基準日と定義を添える

利用者数や取扱件数を用意する際は、何を数えた数字か、いつ時点か、外部に出してよいかを確かめます。公表済みの数字でも、その後に更新されている場合があります。取材当日に使う資料の版をそろえ、回答者にも同じものを渡してください。

推測を数字として回答しないために、「確認済み」「確認中」「今回は提供できない」を資料上で区別します。提供できない事項については、答えられる範囲と理由を社内で確認します。事実確認が終わっていない内容を、説明の都合で断定するのは避けましょう。

社内用の想定問答を、そのまま外部へ渡さない

想定問答には、公開できる回答のほか、社内での確認先や判断の理由が含まれることがあります。回答者の準備用資料と、取材相手に渡す資料を分けて作ります。顧客名、未発表情報、社内の会話が外部用ファイルに残っていないかも点検してください。

撮影がある場合は、撮る場所と対象を確認します。机上の書類、画面、ホワイトボード、来訪者、映り込む従業員などを事前に見て、撮影できる場所を当日の案内担当にも共有します。写真映えだけで会場を決めず、公開可能な状態かまで確かめます。

取材当日は、答えられない質問を追加回答の記録にする

当日の広報担当は、進行、資料の補足、追加で確認する事項の記録を担います。回答者の発言に明らかな事実誤認があれば、その場で根拠を確かめて訂正します。数字が曖昧なら、推測を重ねず、確認後に返答する旨と返答予定を伝えます。

追加回答メモ(架空の記入例)
質問:対象店舗の数は、実証実験の参加店舗を含むか
その場の対応:定義を確認し、取材後にメールで回答すると伝達
社内確認先:事業担当
返答予定:翌日10時まで
回答の扱い:確認できた定義と数値を文章で伝える

「後で返す」とした質問が複数ある場合は、質問・担当・期限を一緒に残します。取材後に口頭の記憶だけで処理せず、未回答がどれか分かる状態にしてください。

公開しない前提の話をする場合は、話す前に相手との認識を合わせます。話した後で一方的に非公開を求めても、意図どおりに扱われるとは限りません。合意のない状態では、社外に出せない情報を説明材料に使わないことを基本にします。

原稿確認では、事実の訂正と表現の希望を区別する

報道記事の原稿を、企業が必ず事前確認できると考えて進めないようにします。確認の可否や範囲は、取材前に相手へ相談してください。全文が確認できない場合でも、会社名、固有名詞、数字など、誤認を避けたい事項の照会方法を聞いておけます。

原稿が届いた場合は、変更希望を一括して「修正」とせず、事実誤認と表現上の希望を分けます。事実の訂正なら、該当箇所、正しい情報、根拠、情報の基準日を伝えます。単に好みと異なる表現なら、その理由を添えて相談し、掲載表現の判断を相手とすり合わせます。

社内で複数の意見が出る場合は、窓口で確認をまとめて返します。同じ箇所に対して異なる指示を別々に送ると、どれが正式な回答か分からなくなります。確認期限に間に合わない場合も、期限前に連絡しましょう。

掲載後は、お礼・事実確認・社内記録まで終える

掲載されたら、まず記事を読み、会社名、数値、リンクなどに事実誤認がないか確認します。誤りが見つかった場合は、根拠を添えて窓口へ相談します。確認できていないのに自社のお知らせやSNSへ広げる前に、一度内容を確かめてください。

取材へのお礼と、掲載を自社で紹介する相談は分けます。記事のURLを案内する場合と、記事の画像・本文を転載する場合では確認する条件が違います。掲載先の案内を読み、必要な確認を経て紹介しましょう。

最後に、取材日、対応者、渡した資料の版、追加回答、掲載先、次に準備しておくことを記録します。メディアとの接点を広報の効果測定にもつなげるなら、掲載された事実と、自社サイトへの流入など計測した結果を分けて残してください。

自社から企画を提案する段階の文面は、企業から送る取材依頼メールで扱っています。依頼を受けた後は、次の回答期限と責任者を決めることから着手しましょう。

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